はじめに

  「宗像の若者よ立て この混迷する宗像に何の生きがいを感じるか。素晴らしい環境に恵まれ、良き先輩をもつ宗像の若者よ、順風美俗宗像の若者よ、勇気を持って奮起せよ。先輩に負けない人になれ、郷土を愛する人になれ。何事にも感謝し、互譲互助の精神を持って、真の日本人のチャンピオンになれ」この言葉は、宗像青年会議所発足の原点となった、出光興産創業者の出光佐三氏が遺された言葉です。この精神性のもと運動を継続し、宗像青年会議所は本年、創立より51年目を迎えます。私は、宗像青年会議所という組織はメンバー一人ひとりの成長を通じてまちの発展に貢献し、それを未来へ紡いでいく団体だと考えています。青年会議所には、数多くの機会があり、その経験を通した学びを得ることにより、地域に変化を起こすことができる人材へと成長することができますが、他人が何とかしてくれるのを待っていても、まちや人を輝かせることはできません。メンバー一人ひとりが、まちの未来を真剣に考え、リーダーシップを発揮することで、宗像青年会議所は、まちの活性化に大きな役割を担う団体となることができるのです。そして、そのためには、メンバー間の相互理解を深め、全体が一丸となることが何よりも大切です。一人ひとりが成長し、大切な仲間とともに一歩ずつ着実に歩むことこそが、明るい豊かな社会の実現につながると信じています。メンバーが一丸となって、ともに心を燃やし、全ての人たちを明るく照らし出せるような運動を行って参りましょう。 

 会員の拡大と会員育成

  青年会議所は40歳で卒業を迎える仕組み上、同じ志を持つ仲間を迎え入れ続けることができなければ、組織はいずれ消失してしまいます。そして、メンバー数が減少するということは、宗像青年会議所の展開する運動力が減少するということに直結します。一人でも多くの仲間とともに地域の未来を考え、当事者として行動できる人材を増やすことが、よりよい地域の未来を創る運動の拡大につながります。本年は一人でも多くの仲間を迎え入れる会員拡大を重要課題として、メンバー全員の力を結集し、組織一丸となってメンバーの増加に邁進します。 
 一方で、新たな仲間を迎え入れることだけが、本来のめざすべき姿ではありません。新しく迎え入れた仲間たちが、できるだけ早い段階で「入ってよかった」と感じてもらい、宗像青年会議所はもちろん、様々な場所で活躍できる人材へ成長していただくことこそがめざすべき姿です。本年度もアカデミー室を設置し、かけがえのない経験を得た新たな仲間たちが翌年以降も意欲的に活躍していける土台を形成します。 

力づよい組織

 地域の様々な課題を解決できる組織であり続けるためには、個人の成長が必要不可欠です。宗像青年会議所には数多くの機会があり、その経験を通した学びを得ることにより、地域に変化を起こすことができる人材へと成長することができます。何ごとも自分ごととして捉え、気づきや学びに触れることで、主体的に行動する人材を育成します。 
 それと同時に、多様な価値観を持ったメンバーと多くの議論を重ね、さまざまな発想を取り入れることにより組織は活性化すると考えます。ひとつの目標に向かって皆で協力し、助け合うことの大切さは私自身がこの団体で学んだことです。これは宗像青年会議所のみならず、どのような組織にも必要とされることではないでしょうか。人は人によって磨かれるという言葉がありますが、メンバー同士が青年会議所での経験を通して切磋琢磨し、それぞれが思いやりの心を持って助けあうからこそ、仲間と心をひとつにして同じ目標に向かって行動できるのです。メンバーの互いの個性や価値観を認め合い、目標に向かって力強く活動をできる結束した組織をめざします。 

地域の未来を描く

 宗像地域は、悠久の文化・歴史・伝統を有し、コンパクトなまちの中にも緑豊かな自然環境に恵まれ、都市圏へのアクセス環境もよく様々な魅力を持ち合わせた地域です。2017年には「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群が世界文化遺産に登録され、多くの方々に認知していただける契機となりました。これまで以上に魅力ある地域をつくっていくためには、地域の課題を認識し、まちの未来がどのようにあるべきかを考え、青年らしく新たな発想でまちの未来を描くことが重要です。今ある魅力だけにとらわれず、新たなまちの可能性を探求し、未来につなげるまちの魅力を最大限発信できる事業に取り組みます。 

青少年の育成

 子どもたちは未来のまちを創る存在であり、子どもたちが明るく健やかに成長することが、未来の地域の発展につながります。現代の子どもたちを取り巻く社会環境は、人々の価値観や生活様式の多様化により急激に変化しています。このような変化の激しい時代を子どもたちが生き抜いていくには、教育機関やインターネットで学ぶことだけではなく、多くの人と協力しながら何事にも挑戦し、どのような変化にも適応できる子どもたちを育成する必要があると考えます。普段とは違う環境での体験を通して、何事にも前向きに挑戦し、未来へ向けた一歩を踏み出す青少年育成事業を行い、子どもたちの成長を促進します。 

広報

 私たちが行う運動の発信力を高めるためには、地域の方々の共感と理解が必要不可欠です。どんなに良い事業を行っていたとしても、地域の方々に認知をしていただくことができなければ、事業の効果は小さなものとなってしまいます。我々の運動で地域をよりよいものにするためには、地域の方々に共感していただくことが大切です。昨今では、情報発信を行うツールはSNSやWEBなど多様化し、個人で得られる情報が多い時代となった今、興味関心を持たない人へ情報を届けることは容易なことではありません。共感していただくためには、ターゲットを明確にし、誰に対して、どのような広報を行う必要があるのかを明確にし、その対象に対してユーモアを加え、戦略的に広報を行うことが重要です。広報の効果を最大限に高めながら、運動を発信し、組織の価値を高めます。 

結びに

 私は2010年に、半ば少し強引に先輩に誘われたことがきっかけで宗像青年会議所に入会しました。入会当時の私は、地域に対しての思い入れもなく、今の自分より成長したいという漠然とした思いで活動していたことを覚えています。2014年に初めて委員長を経験した際には、大きな壁にぶつかり、自分の弱さに直面して心が折れそうになったこともありました。そんな時、困っている私に対して、自分のことのように本気で行動してくれる仲間がいました。青年会議所は人生最後の学校、学び舎と言われます。青年経済人として、そして人として大切なことを学べる組織です。青年会議所は、困った時、悩んだ時、壁にぶつかった時に助けてくれる一生涯の友にも出会える場所です。新たな挑戦には、不安や失敗を恐れる心が芽生えるかもしれません。しかし、勇気を持って挑戦することで得た知識や経験は、必ず自身を成長させてくれます。失敗してもいい。一歩背伸びをして頑張った先には必ず成長がある。失敗を恐れず、挑戦することこそが、自分自身を一回りも二回りも大きく成長させてくれるのだと信じています。ともに成長し、よりよい宗像地域をめざして力づよい一歩を踏み出しましょう。