
誰かのために
宗像青年会議所は出光佐三店主の呼びかけにより「JC活動」をするためにできた団体ではなく、地域を良くしようという想いを持った青年が、主体的に集まって活動を始めた団体です。それは今も伝統として残っており、宗像青年会議所は恵まれた立場にある人の集まりではなく、誰かのために行動できる想いさえあれば参加できる素晴らしい団体であり、職業や立場に関係なく誰ひとりも取り残さず卒業まで歩んでおります。
2017年、私は32歳で宗像青年会議所に入会しました。入会当初は青年会議所のことは何も分からず、入会動機も自分の商売に繋げたいという利己的な理由からでしたが、初めて参加した例会で理事長の凛とした姿勢で発せられる挨拶を見て、私と大きく年齢の変わらない人がここまで大きな存在に見えるのかと強く衝撃を覚えました。私は心に決めました、
「私もいつか理事長になりたい」と。
JCI Missionに「青年が社会により良い変化をもたらすための発展と成長の機会を提供する」とあります。入会当初は提供される側でしたが、活動を通じて徐々に青年会議所の使命を理解し、提供する側に変化した結果、誰かのために行動することの大切さが分かるようになり行動が変わりました。それは青年会議所の中だけでなく社業や私生活にも活かせており、宗像青年会議所での機会や仲間のおかげで人生を豊かにすることができたと感謝しております。
私たちは宗像青年会議所が大切にしている互譲互助の精神を引き継ぎ、明るい豊かな社会を創造し、地域のため、誰かのために挑戦し行動していく必要があります。先の見えない挑戦ほど怖い物はありません。しかし、そこでやりきるか、やらずに逃げるかでは、その先にみえる景色が変わってきます。それが自己成長に繋がり、まちの成長にも繋がると考えております。
みんなで一緒に、この地域のために、自分ではない誰かのために行動しましょう。
誰かのために行動するメンバーがいる組織
近年、暗いニュースが飛び交い、未来に不安を抱え、誰かを思いやる余裕が無くなっているように感じます。もし自分のことばかり考えるようになれば、自分の価値観や都合を第一に優先してしまい、相手に寄り添うことができず周囲から向き合ってくれる人がいなくなってしまうかもしれません。だからこそ宗像青年会議所のメンバーは互譲互助の精神をもって、自分ではない誰かのために行動し続けてもらいたいと考えております。
宗像青年会議所のメンバーにお願いしたいのは、相手を理解し、気持ちに寄り添う心を持ってもらいたいと思います。メンバー一人ひとりが、メンバー同士で助け合い、励まし合い、喜び合う、自分以外の誰かのために行動することで、その結果として自分自身が成長できることを体感してもらいたい。誰かのために行動する組織を目指してまいります。
郷土を愛する同志の拡大
近年、全国的に会員の減少が進んでいる中、宗像青年会議所は2020年度よりメンバー数純増の会員拡大を達成しております。これはこれまでのトップの決意と会員拡大委員会、そしてメンバー一人ひとりが諦めずに行動したからこそ成し遂げられた成果です。
何故、会員拡大を行わなければならないのでしょうか。会員が増えなければ地域から宗像青年会議所が消滅してしまうから、会員がいないと事業が実施できないから。もちろんそれらもありますが、私たちは青年に発展・成長の機会を提供することを使命としています。誰かのために自律的に行動をする人財が多ければ多いほど、社会にインパクトを起こす大きなエネルギーとなります。
本年もメンバー一人ひとりが会員拡大への意識を高め、自分のこととして組織一丸となって会員拡大を進め、必ずや会員拡大を成功いたします。
転機を好機に変える前向きな姿勢
人生には仕事や家族の変化など幾つかの転機が訪れます。この転機をどう捉え、どういった行動をとるかによってその後の展開は大きく違ってくるでしょう。どんな転機も前向きに捉えれば成長のチャンスとなりますが、反対に変化を恐れて向き合うことから逃げてしまえば、その機会を活かすことはできません。
宗像青年会議所のメンバーは、目の前の課題から失敗を恐れずに立ち向かう必要があります。課題は自分が成長できる絶好の機会と捉え、転機を好機に変える行動がとれる人財であるべきです。気づきや学びを得る機会に触れることで、乗り越えた後の未来を想像し、課題解決に立ち向かう前向きな人財を育成してまいります。
未来を担う青少年育成
青少年は地域の未来への希望であり、宝です。未来の地域は子どもたちが今後担っていくことになります。AIの進化で、今の子どもたちが大人になる頃には、労働人口の約49%がAIやロボットに変わる可能性があると言われています。あることが当然の職業が無くなっていたり、想像もできない職業が新たに生まれていたりすることが想定されます。
私たちは彼らに未来の仕組みや未来の技術を教えることはできませんが、普遍的な心の在り方を伝えることはできます。人が生きていくために必要な力のひとつに「考える力」が挙げられます。どの行動においても考えることを無くして実際に行動に移すことはできません。宗像青年会議所が実施する事業でしか経験できないことを通じて、子どもたちに生きる力として考える力を持ってもらいます。
観光資源を活かしたまちづくり
宗像地域は、九州最大級の漁獲高を誇る「鐘崎漁港」、同じく九州最大級の来客数を誇る「道の駅むなかた」、そして全国的な知名度を誇る「宗像大社」、なにより2017年に世界文化遺産に登録された「「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群」など食文化・伝統文化・観光資源に恵まれた地域です。この魅力を多くの方へ広く発信していくべきと考えています。
この魅力を活かして多くの方たちに地域の素晴らしさを知っていただく、そのためには私たちだけで地域の魅力を考えるのではなく、地域・行政・関係諸団体の皆様と積極的な連携を図り、この地域を知って好きになってもらうような観光事業を実施することで、もっと魅力を福岡県内外へ向けて広く発信していきます。
ブランド力が向上する情報発信
私たちの運動をより強く推進していくには、まずは宗像青年会議所の認知度を高めていくことが必要だと考えます。そのためには地域における宗像青年会議所としてのブランドを確立しなければいけません。
本年度は発信内容の充実と用途に合わせた媒体を選定し、より宗像青年会議所を知ってもらい価値を生む広報に努めます。そのためには情報を知らせるだけの一般的な広報ではなく、市民や地元の皆様から愛される団体となるにはどうすればいいのかという視点で考え情報発信を行っていきます。運動への理解や協力を得るためにも、宗像青年会議所の運動に賛同する人を増やしてまいります。
おわりに
私は、広島県出身です。
幼少期から広島平和記念資料館に訪れる機会があり、戦時中のことを聞いて育ちました。小さな私には、当時の様子を想像することが今ほどできませんでしたが、辛く厳しい時代であったということは話の中から感じたことを覚えています。今を一生懸命に生きるのはいつの時代も同じです。当時の青年たちは苦しい時代でも未来を見据え、自分ではなく日本の未来のために命を燃やしたのだと私は思います。
今の時代をどう捉えるのかは千差万別ですが、当時と比較すると私たちの人生は計り知れないほど豊かになっているのではないでしょうか。だからこそ、この一瞬を生きる青年である私たちは、この地域の未来を、日本の未来を、そして地球の未来を見据えて自分ではない誰かのために率先して行動し、持続可能な地域を創ってまいりましょう。